全員がスマホを持つ時代。フリマアプリに直結しており、手軽に始められる副業=転売とまで言われるようになり、転売ヤーのプレイヤーが増加。
SwitchやPS5など、コロナによるおうち時間需要で、ゲーム機の品薄による転売品の価格高騰が目立ちました。
Switchはその後供給安定。
そしてつい先日――PS5の出荷台数が安定し、ついに転売価格が暴落したらしいです。
今回はPS5を例に、感情論に左右されない転売ヤーについて解説して行きます。
- そもそも転売品を買う層の正体
- 賢い転売ヤーは、価格暴落でも痛手にならない(ざまぁにならない)
- 税金関係で論破するのは論外
- そもそもPS5が中々手に入らなかったのは、転売ヤー以外の要因がある
- 水道の例えは論理的なのか
- よくある妖怪ウォッチの例え
- その他素人が語るには難しい問題たち
- そもそもソフトが売れない以前に、PS5自体オワコンではないか?
- 転売価格=適正価格になる場合
そもそも転売品を買う層の正体
囚人のジレンマのようなもので、「全員が転売品を買わなければ、自然と転売は無くなるのではないか」とはならない理由。
転売価格でもどうしても手に入れなきゃいけない人間が一定数います。
ビックウェーブ系
最新の流行り品のをなんとしてでも手に入れたい人。
いわゆるミーハー層なのですが、情報を買ってると揶揄されることも。
流行り物のを買える経済力はあるので、発売日に有給取って並ぶよりも、転売品で確実に手に入ったほうが楽。
買おうと思えば買えるので買った層
転売価格と言っても、せいぜい倍程度の価格。我々庶民でも買おうと思えば買えるレベルです。
ただそこで損得感情が働いて「定価より高い転売品は買いたくない」となるのが庶民感覚なのですが、そうはならない人は一定数存在します。
「あのゲームやってみたいし、とりあえず買ってみるか」
「子供(孫)のために最新機種買ってあげたい」など
仕事上買わざるを得なかった層
これは少ないですが、YouTuberやブロガー、芸能人などが該当します。
自分の地位を守るために確実に手に入るなら、喜んで転売価格を支払うでしょう。
当然本人たちは「たまたま電気屋に行ったら買えた」と言い張るが、実際は…
賢い転売ヤーは、価格暴落でも痛手にならない(ざまぁにならない)
実は1円で売れても、赤字にはなりません。
PS5を5万円とします。
10台購入して、購入価格50万円。
1台を10万円で販売する(送料手数料は省略します)と、5台売れれば50万円。
これで購入価格を回収できます。
あとは手持ちに残った5台の販売価格が利益になります。
残り5台が10万で売れたら利益は50万円。
5万(定価)なら25万円。
1円なら5円の利益。
もちろん5円の利益しか出ないのなら、手間を考えれば痛手になりますが、現実問題小売店より数千円安くなってるなら買う人も多いのでそれはあり得ないでしょう。
軽い気持ちで転売用に1台買って、価格割れした人は損しますが
感情論で忌み嫌う転売ヤーは上の例で利益を出しているので、残念ながら「購入価格を回収できた」時点でざまぁにはなりません。
税金関係で論破するのは論外
・確定申告
・古物商許可
当たり前だけど、転売ヤーがやってないわけない。
仮にそれで生計立ててるなら、税務署に捕まった時のリスクを考えればしてない訳がない。
恐らく転売の情報商材でも「法律関係はしっかりやっとけ」と書かれているでしょう。
たまに捕まる人の報道がありますが、よく世間を知らない主婦だったり、おっさんだったり、ごく一部の人たちだけ。
ちなみに古物商許可は転売において要・不要の論があるらしいですが、グレーなら許可は取っておくに越したことない。
案外簡単に取れるらしいので。
そもそもPS5が中々手に入らなかったのは、転売ヤー以外の要因がある
コロナ禍当時、散々騒がれていた半導体不足。
これにより生産量を増やしたくても増やせない状況が長く続きました。
(今回転売価格が定価割れしたのも、半導体の供給が安定したため)
水道の例えは論理的なのか
水道の通ってない地域に水を売りに行くのが小売店だとすれば
水道が通っているにも関わらず水道管を切断して
水を売るのが転売ヤー
例えはいいが、水道水という生活必需品を例に出しているのがポイント。
現在、人の生命にかかる生活必需品の売買は明確に違法とされています。
水道が飲めない人は生命に直結するから、それを奪う人間は非難すべきなので、感情論ではなく論理的な話に当てはまる。
だが、転売としてあげられるのは「ゲーム機、ガンプラ、ポケモンカード、一部のキャラグッズ(ちいかわなど)」と、興味がない人からすればどうでもいい存在。
そしてちょっと興味のあるライト層からすれば「買えなかったら諦めよう」となって終わり。この層の人たちにとって転売品は定価より高いのは買いたくない。ただそれだけの存在なので、水道水ほどの価値はありません。
そこで別の例えを用意しました。
桜の枝の例えはどうだろうか
桜の枝を折って、忙しくて中々花見に行けない人に売りつけるのが転売ヤー。
花見客は枝を折られたせいで綺麗な桜を見れなくなる。
枝を折られたコンテンツは、徐々にダメージを受けて弱っていく。
転売ヤーは桜が枯れるリスクを背負ったり、年に1度しか販売(開花)されないので、桜の転売だけでは成り立たないので、次は紅葉を狙う。
花見に興味のない人からすれば「枝を折るなんて酷い連中だ(感情論)」で批判する。
よくある妖怪ウォッチの例え
一番しっくりくる転売=悪で言われるのが、妖怪ウォッチの例えです。
2014年頃、妖怪ウォッチが大ブームとなり、その中でも「妖怪ウォッチメダル」が品薄状態で転売の宝庫とされました。
(たまごっちの再来と言われたほど)
ブームは終焉し、今は見る影もないコンテンツですが、そのバブルのような弾け方の影には転売ヤーの悪影響のせいと言われています。
これは何かというと「転売用に買われすぎたせいで、本当に市場が求めている需要数が分からない」
で実際に供給数を頑張って増やしてみると、実際に欲しいと思っている層は思っているほど多くなく、供給過多となって在庫を多く抱えてしまった。とのこと。
現代でもこれは通ずる考え方だと思うし、一番しっくりくる実例ですが
当時のフリマアプリ(メルカリは一応ありましたが、出来たばかりで過疎状態)やスマホ・SNSの普及率などの状況よりも、現代の方が転売市場の情報が可視化されやすくて、転売ヤーが抱える在庫状態と実際の需要数などは推測しやすいんじゃないかと、素人ながら感じます。
その他素人が語るには難しい問題たち
よく挙げられる問題です。
転売ヤーにとってカルテル(企業連合)は可能なのか
PS5は規模が世界なのでかなり大きくて難しいですが、ガンプラなどがそう言われていました。
(ガンプラに全く興味がないので市場規模が分からない)
ただし転売は「在庫を抱えたくない不安」があるので、表面上は釣り上げた価格で協力しつつも、裏切って根を下げるような行為は起こり得ると思います。
なぜ中古屋が本体価格より高値で買い取って、それ以上の価格で売ることは黙認されているのか
これって実はかなり闇の深い話なのでは…?
売買の許可持ってたり、納税してたり…なんてことは抜かりのない転売ヤーならやってる。
ある意味転売を規制するなら「じゃあ中古小売店も規制しなきゃダメだよね」で八方塞がりになっているかもしれません。
そもそもソフトが売れない以前に、PS5自体オワコンではないか?
今でこそそこそこのキラーコンテンツが発売されましたが、発売当初に目玉ソフトは特になく、また「PS4でもやれる」が多く
転売と騒ぎつつも、そもそもPS5でどうしてもやりたいことってなに? という状態でした。
一方で任天堂は「ゼルダ」「スプラトゥーン」「マインクラフト」「マリオカート」「ゼノブレイド」などのキラーコンテンツをSwitch発売当初から出していきました。そりゃSwitchが勝つなと言った感想です。
もちろんSwitchはライト層、プレステはゲーマ向けという棲み分けがありますが、PS5のライバルとして「PCゲーム」。世界レベルで言えば「Xbox」が君臨しているため、数少ない「ゲーマー」というパイを取り合うこと自体が難しいです。
Switchもスマホゲームという強力な敵を相手にしていますが、自社のキラーコンテンツで戦ったり
コロナ禍に衝撃を与えた「リングフィットアドベンチャー」など、次々と新しいものを生み出しています。
転売価格=適正価格になる場合
転売を擁護している世界的企業があります。
それはNIKEです。
コラボスニーカーや、定番の人気スニーカーなど、スニーカー界隈は転売の宝庫です。
興味ない人からすれば「どうでもいい」だし、レアスニーカーが欲しい人からすれば「転売ヤーふざけんな」
ナイキを始めとしたスニーカー転売用のサイト(スニダンなど)が出来たり、中国では(ゲーム機では不可能な)偽物販売を取り扱う業者があったりと、スニーカー業界はカオス状態。
そこで言われているのが「転売価格=適正価格」説。
今年発売したティファニーとのコラボモデル。
販売価格は5万円。売買が成立している転売価格は15〜25万円ほど。
たかが色違いのスニーカーに5万は…ってのが一般人の感覚ですが、「ハイブランドとのコラボモデルで5万円は買えんこと無いよな。抽選応募してみよう」となるのがスニーカー好きの感覚です。
そして本数が少なかったのか、ほとんどのスニーカー好きは当たらず、転売価格を眺める形になりました。
そして提示された転売価格20万円に「馬鹿らし」となるのが庶民のスニーカー好き。一部のどうしても欲しいスニーカーマニアがその価格帯のものを落札する結果に。
そうして相場が20万円ほどに落ち着きました。
当選した転売ヤーは15万円の利益が出ます。もしかするとライト層のスニーカー好きも「履くの勿体無いから、転売して儲けるか」と思うかもしれません。そう言う人が「転売ヤー滅びろ」とか普段言いながら、欲に駆られてこっそり転売しているのが現実だと思いますが
話を戻します。
転売価格が結局適正価格なのではと言う話。
初めからナイキが15万円で販売すれば、ライトなスニーカー好きは「流石に高すぎる」と敬遠し、転売ヤーも「(価格割れする)リスクが高い」と参入せず買う人の人数が激減。
結果的に「その値段でも納得して買う」金持ちやマニアが転売市場を利用することなく買えてしまうので、彼らも助かる。
ナイキとティファニーも5万で売るより15万で売れた方が儲かる。
転売市場が決めた「15万」という金額が本来の適正価格だったのでは無いかという話です。