かばろぐ*

服が大好きなアラサー関西人。縦にも横にもデカいです

服好きは貧乏人の趣味という話

※男性目線の話になります

3万円のボトム、シャツ、スニーカー。
5万円のニット。
7万円のバッグ、アクセサリー。
10万円のアウター。
15万のコート、革靴。

年に数回ユニクロで服を買う程度の一般人からすれば信じられないだろうが、これが服好きの一般的な金銭感覚である。

これだけ高価なものを次から次へと買えることを考えると「金持ちの趣味」と思われがちだが、実は「貧乏人のやりくりによって成り立っている趣味」であることを提示したい。

 


服好きのパターン


服には価格帯の階級がある。

SSランク ハイブランド(二桁万円)
Sランク インポートブランド・デザイナーズ(10万前後)
Aランク ドメスティックブランド(数万円)

ここまでが3万円のシャツを売っているレベルであり、服好きの主戦場。基本的に「イオンモールには絶対に売っていなさそうな価格帯」である。
ユニクロはCランクかDランクくらいの価格帯と考えれば、服好きの異常さが分かるだろう。

それらを踏まえて、3つのカテゴリーに分ける

①ハイブラ&インポート・デザイナーズ勢(SS~Sランク)

海外セレブやパリ・ミラノのランウェイに登場する高級品を身に纏う層。
若年層に多く、資金源が謎だが、恐らく少数に絞って買うものを選んでいるのだろう。マルジェラが好き。
芸能人や中国人観光客のような「ロゴ」ドンを嫌う。
「見る人が見ればわかる」と言う世界観が統一されており、高価な装備品により自信に溢れた強者男性感が漂う。

服の歴史やデザイナーなど、服そのものに詳しい服オタクでもあるが、結局やっていることは情報を買ってコレクションしていることである。

 

②ドメブラ・トレンドガチ勢(Aランク)


数万円の国内ブランドを春夏・秋冬でそれぞれ購入する。
トレンドを追うため、基本的に毎シーズン購入する。そこそこの資金源が必要な為、私立大学生や社会人に多い。
菅田将暉フォロワーでもあり、SNSガチ勢。
ユニクロでは買えないデザイン性」と「ユニクロレベルの品質」を自分に言い聞かせて、服に無頓着な層を見下している。
(ちなみに僕はこの界隈です)

③古着界隈


価格帯はBランクくらいなので、比較的安い。金欠の大学生に多い。
同じものがほぼ存在しない唯一無二感が魅力であり、単価が上記2つと比べて安いため、多く購入しがち。
年相応な大人だと「いまだに昔の服を着続けている人」に見える可能性があるので、社会人(髪型自由は除く)になると数が減る。

③は少し特殊だが(例外④としてスニーカー界隈もある)、①と②は単価が高いため、購入できる個数は限られてくる。

なぜ高い服を買うのか


冷静に考えれば、3万円のシャツを買うのは庶民感覚では頭がおかしい。
貧乏人の服好きには釣り合わない価格帯であるのに、それを「値段相応のクオリティ」となってに納得してしまう。
それは段階を踏んで金銭感覚を狂わされたからだ。
服好きになるのは①私服が必要な大学生②収入が増える社会人の、どちらかになった段階が多い。
その中で「そろそろいい一着を一つくらい持っておきたい」心理で、普段買わない価格帯の店に足を踏み入れてしまう。
「25,000円(税込み27,500円)のシャツ!? 高すぎだろ」と値札を見ておののくが、店員やインフルエンサーの意見を聞いて「まぁ一着くらいはいい服持っておくか」と、最初の一着を購入してしまう。
その結果、今度はいいパンツが欲しくなったり、アウターが欲しくなったり…
そしてユニクロで買えるようなアイテムで満足できずに、高価な衣服を「値段相応」と思ってしまう。
もちろんユニクロはリスペクトしており、できる限りユニクロで代用できるなら代用したい(安いので)。ただしアウターはNG。


服好きの資金源の謎

 

クレジットカード&二次流通を駆使したラットレース
働いても、働いても、一向に資産が貯まらない状態「ラットレース」。
ようはお金が貯まらない=貧乏人という結論。
給料(バイト代、仕送り)=自分の使えるお金
ボーナス=ちょっと奮発していい物を買える日
クレジットカード=今の資産と翌月の給料の合計額を使える
二次流通=副購入の為の臨時収入。クレカ払いのための資金調達
※二次流通…メルカリやセカンドストリートなどで持っている服を売って資金を調達すること。服好きは服購入の際にその金額も頭に入れている

≪毎月の収支≫
(【資産】+【臨時収入】)-【消費】-【衣服代】-【娯楽費】=【貯金】
例 200,000(手取り)+30,000(メルカリ)-100,000(生活費)-100,000(服)-15,000(娯楽)=15,000円(貯金額)

・【資産】前月までの【貯金】+給料+クレジットカード限度額(翌月払い)
・【臨時収入】メルカリ、セカストなどの服の売上金
・【消費】最低限の生活費、先月のクレジットカード支払い
・【衣服代】毎月買うつもりはないが、上限はほぼ決めていない
・【娯楽費】本来であれば趣味などになるが、この場合衣服代がそれに該当する
・【貯金】ほぼ無くなるときもあれば、何も買わずに貯まることもある

一般人であれば消費の中に衣服代が含まれるが、服好きの衣服代は別扱いのため、貯金がほとんど貯まらない

 

服好きは独身の陰キャ

 

妻子がいて好きな服を買えるなら、安定した収入を持っているごく少数のエリート。
もし彼女がいるなら「デート代」を考える必要があるので、財布のひもは固くなるし、彼女が「辞めときな」と止めてくれるパターンもある。
一方で陰キャは友達も少なく、金を使って遊ぶことも少ないので、収入は「貯金」か「趣味」になる。
服好きの陰キャは浪費である「ゲーム漫画」や「推し活」趣味を見下し、自己投資が出来るファッション趣味で悦に浸る。

服が趣味になってしまうと、休みの日にやることが「服を見に行く(新しく買った服で外出する)」。そして服を買ってしまう。(大学生の場合は毎日私服なので、その頻度が増える)
服を買いに行くための服を買うサイクル。正に服好き陰キャの負のスパイラル。
別にいい服を着ようが、陰キャ陰キャ。ちょっとお洒落な陰キャになるだけ。
オシャレはモテに直結はしない。
あくまで性格(コミュ力)、財力、人脈、見た目のステータスにボーナス付与される程度でしかない。(いわゆる『清潔感』に直結するかもしれない。清潔感があっても、モテには直結しない)

そして何より、現代ファッションは「細身」であることを前提としてデザインされているため、虚弱体質のチー牛との相性もいい。

いわゆる買い物依存症だが、そこから脱却できないファッションの罠


ファッションに一生モノは存在するが、ほぼ存在しない。
それは個人差で必ず『飽き』が訪れるからだ。つまりルッキズムを諦めない限り、服を一生買い続ける運命である。

また、ファッションにはトレンドが存在するため、常に新しいアイテムを手に入れ続ける使命感に駆られている。

加えてファッションは頭のてっぺんからつま先までのトータルコーディネートであるため、新しく買った服に合うアイテムが不足していると、それを買い足す必要性が発生する。
例)アウターを買う

クローゼットにこれに合うインナーがあるか、ボトム、シューズは? アクセは必要か? 買い足す。

既存のアイテムと合わせてみると、思ってたイメージと違った。新しく合うアイテムを買い足す。

しばらくすると飽きる。最初に戻る。

そして金持ちが生活の質を落とせないのと同じで、一度いい服を着てしまうと、ランク落ちの服は着れなくなる。
ユニクロで満足している層を見下す。(本当はユニクロでシンプルにかっこよく決めれる人に憧れているが、手持ちの高価な服が手放せない)

 

芸能人やインフルエンサー、セレブなどの金持ちの服事情

 

前者の場合人に見られる仕事であるため、服に投資をするのは当然であり(仕事道具とも言える)、スタイリストや案件が付いている可能性もある。
セレブはもはや例外中の例外であり、逆に言えば「無理をしてでもギリギリ庶民が買えるレベル」がセレブの服(ハイブランド)に該当する。(高級腕時計や高級車は難しい)

 

参入コストが低い


先ほどのセレブの例のように、一般人がセレブの真似事で唯一参戦できる分野が服であり、それゆえに貧乏になってしまう。
因果関係が逆で、定収入の貧乏人であれば服を買っている場合じゃないので、服は最低限で済ませる。
普通の収入で高価な服を買ってしまい、お金が貯まらないから貧乏なのだ。

また、精神的な参入コストも低い。
他の趣味として料理・バイク(車)・アウトドア⇒新しく始めるのに精神力を使う。持続するかの不安
オタク趣味⇒客観的に見て恥じらいがある
服⇒生活の延長線上なので、買うだけで完結する。飽きたとしても無駄にはならない

情報の発信・受信もスマホの普及で簡単になった


数年前ならファッション雑誌を見たり、セレクトショップに行くのは恥ずかしさがあったが、今はネットで完結する。
インフルエンサー等、ファッションのノウハウが無料で手に入る時代。
難易度も下がったので、益々参入しやすくなった。
自ら発信して所有欲や承認欲求も満たせる『発信側』としてのメリットも。

他の自己投資と比べて一番簡単である

 

自己投資にはさまざまある

筋トレ


始めるのは簡単で低コストだが、再現性が低い。
筋トレには才能や体質に左右されることと、そもそも筋トレを継続できる体力(気力)と時間が必要不可欠になる。
継続するための好き嫌いも才能である。

美容


金銭的な優先度と拮抗する。
女性ほどではないにせよ、男性の美容も金額はピンからキリまである。持続性が必要な為、ランニングコストが掛かる。
そもそも服好きは最低限の身だしなみとして、美容意識は高い水準である。
ただし、身長だけはどうしようもない。

キャリアアップ


給料は高ければ高い方がいい。
仕事に打ち込み、高収入を維持できる人間は男女ともからモテるが、こればかしは才能と気力である。

女遊び(ナンパなど)

何度も言うが、服がオシャレ=モテるではない。
自動的にモテる男はごく少数の上位数%。それ以外のオスがどうすれば女性と交われるのかというと、肉食側に回るしかない。
とは言え、こればかりは本人の性格次第である。
「ナンパするくらいなら一生独身でもいい」となる男性が多いから、少子化が加速しているのだ。


お金で買える。
もちろん他人の評価も気にするが、そもそも賛否の声が耳に入ってくることがほぼない。